若い女性などに人気のある大型SNS、「インスタグラム」。現在では企業がインスタグラムの効果に着目して、マーケティングに活用する事例が増えてきました。そしてインスタグラムマーケティングの手法として有効なのが、「インスタグラム広告」です。
インスタグラム広告では「Facebook」と連携した細かいターゲティング設定が可能で、上手く活用すればピンポイントに集客を行えます。また、インスタグラム広告を利用する際は、ターゲティング設定の種類や注意点などを覚えておくと安心です。
そこで今回は、インスタグラム広告のターゲティング設定の種類や注意点、そしてターゲティング設定のイメージがしやすいように設定例も紹介していきます。「インスタグラム広告のターゲティングの種類を知っておきたい」、「インスタグラム広告のターゲティングにおける注意点や参考例を見ておきたい」という方はぜひチェックしてください。
目次
インスタグラム広告におけるターゲティングとは
インスタグラム広告とは、インスタグラムユーザーのフィードに広告を掲載できるサービスのことです。特徴としては細かいターゲティング設定ができる点が挙げられます。これはインスタグラムがFacebookにより買収され、システム的にも統合が図られたことに関係しています。
Facebookでは、細かいターゲティング設定でピンポイントに集客ができる「Facebook広告」を提供しています。インスタグラム広告にも、同じシステムが使われているので、Facebook広告と同じく効果的なターゲティング設定ができるのです。
例えば「ツイッター」ではツイッター広告を出せますが、細かいターゲティング設定はできず、ピンポイントに広告配信するには不安な部分があります。その点、細かいターゲティング設定ができるインスタグラム広告は、マーケティングにおいて大きな武器になります。
インスタグラム広告のターゲティングにはどんな種類がある?
ここからは、インスタグラム広告のターゲティングの種類について解説していきます。
ユーザー属性ターゲティング
「ユーザー属性ターゲティング」は、インスタグラムのターゲティング種類の中で最も基本的なものになります。性別・年齢・居住地域・仕事など、ユーザーの属性を設定してターゲティングを行います。
ユーザー属性ターゲティングを行う時は、事前に「ペルソナ(ターゲットユーザーを細かく属性まで設定したもの)」を設定しておくとよいでしょう。自社の顧客データや、購買データなどをもとにペルソナ設定を行っておけば、インスタグラム広告のユーザー属性ターゲティングも迷わず進められます。
ペルソナ設定は「SEO(検索エンジン最適化)」対策でも重要な手法なので、インスタグラム広告に限らずSEOに関するマーケティングを行う際も役に立ちます。ぜひ習得しておきましょう。
インタレストターゲティング
「インタレストターゲティング」ではユーザーの趣味・関心、そして投稿などに対し実際にとった行動をもとにターゲティング設定を行います。
Facebook上でユーザーが見ている投稿のジャンル、いいね!やシェアなどをもとにターゲティングを行うため、ユーザー属性ターゲティングと併せてより高精度な広告配信が可能になります。
また、スマホを中心に広告配信したい場合は、モバイルデバイスユーザーに広告を配信する設定にするなど、ユーザーの機器まで考慮してターゲティングができます。ただし、あまりにもターゲットを絞りすぎると効果が薄くなる可能性もあるので、注意が必要です。具体的な注意点については後述するので、ぜひ確認してください。
カスタムオーディエンス
「カスタムオーディエンス」では、自社の顧客データをインスタグラム広告の配信に活用できます。顧客リストをアップロードしターゲットユーザーに設定すれば、自社商品やサービスの既存ユーザーだけに絞って広告配信が可能です。
既存ユーザーはコンバージョンまでの確度が高いので、効果的に販促を行うことができます。また「新規顧客として需要がありそうなユーザーに、ブランディング目的で広告を配信したい」という場合は、顧客リストを配信先から除外すればOKです。
類似オーディエンス
類似オーディエンスでは、Facebookに蓄積されたデータや顧客リストなど、すでにあるデータをもとに、似た特徴を持つユーザーを探すことができます。類似オーディエンスを使うと、既存顧客のコンバージョンまでの行動をもとに、それに似た行動をとっているユーザーに広告を配信できます。既存顧客と似た行動をするユーザーはコンバージョンにつながりやすいと言えるので、効果的な販促が可能になります。
類似オーディエンスはリマーケティングの時などにも使われ、使いこなせるとインスタグラム広告で効果をさらに上げやすくなります。
ターゲティングの設定は絞り込みすぎないようにしよう
インスタグラム広告におけるターゲティング設定はかなり重要ですが、絞り込みすぎには十分注意しましょう。絞り込みすぎると下記のような問題が起きてしまいます。
配信ターゲットを絞り込みすぎると競合との競争が激化する
配信ターゲットを絞り込むことは、ターゲットユーザー以外のユーザーに広告配信する状態を避けられるので、無駄なコストをかけないためにも必要です。
しかし、あまりに絞り込みすぎると、狭いターゲットユーザーに複数の競合が広告を配信する状況に陥ることもあります。そうなると、必然的に「CPC(広告クリック1回あたりにかかるコスト)」や「CPM(広告の配信数に対してかかるコスト)」などが上がってしまい、逆に広告費が高くなる可能性があります。
インスタグラム広告では適度にターゲティング設定すれば、高い精度で広告を自動配信してくれます。そのため、過度なターゲティング設定はやめておきましょう。
Facebookの自動最適化機能の精度が下がる
インスタグラム広告では、Facebookの自動最適化エンジンを利用して広告を配信します。自動最適化に必要なのは、広告が配信された後に集まる各データです。
しかし、インスタグラム広告でターゲティング設定を絞りすぎると、それだけ少数しか広告が配信されません。結果、集められるデータにも限りがあるので、自動最適化の精度が下がってしまいます。
インスタグラム広告に出稿する際には、最初のターゲティング設定は、わかる範囲で最小限にしておきましょう。そして配信効果を見ながらターゲティングを絞るか広げるかなど、目的に応じて適切な設定を心がけましょう。
ターゲティング設定の一例
ここからはターゲティング設定についてわかりやすく理解するために、2つの例をご紹介していきます。
例1:若年層へ向けた自社開発のVRアプリゲームをプロモーションする場合
若年層へ向けて自社VRアプリゲームをプロモーションする場合は、まずターゲティング設定を「10~20代男女、モバイルデバイスユーザーに配信」などにします。
また、アプリゲームなので、なるべく動画で広告を行うと高い効果が得られます。アプリゲームの魅力はなかなか静止画では伝わりません。そのため、ストーリーズ投稿などに動画でアプリゲーム広告を出せば、VRを活用した自社アプリの魅力をダイナミックに伝えることができます。このようにゲームアプリ広告の場合は、魅力が伝わりやすい動画での広告をおすすめします。
例2:膨大な顧客情報を持った大手飲食チェーン店が関東にて女性向け新商品をプロモーションする場合
大手飲食チェーンでは、事業が大規模な分、顧客情報も膨大になります。そのような大手飲食チェーンが、関東地域で女性向け新メニューをプロモーションしたいと考え、インスタグラムに広告を出稿する場合を想定してみましょう。
この場合ターゲティング設定は「性別は女性、地域ターゲティングでは関東地域の都道府県」を選択します。そしてカスタムオーディエンス設定や類似オーディエンスを活用するため、顧客リストも追加します。
顧客リストが大量に蓄積されている場合、そのデータをインスタグラム広告でもフルに活用しましょう。そうすることで、新メニューのターゲットユーザーをリピーターに絞りたい場合はリピーターリストを対象に、新規顧客に絞りたい場合は顧客リストを対象外にすれば、効果的な販促が可能になります。
まとめ
今回はインスタグラム広告のターゲティング設定の種類や注意点などについて解説してきました。ターゲティング設定の種類をよく理解しておけば、効果的なインスタグラム広告運用が可能になります。ただし、ターゲティング設定を絞り込みすぎても効果が出ないので、PDCAサイクルを回しながら適切なターゲティング設定を行えるように戦略を立てましょう。
インスタグラム広告のターゲティング設定を上手く活用して、ぜひマーケティングを成功させてください。